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つれづれなるままに

つれづれなるままに

女は地図が読めないって嘘?!

女性が数学や空間認知能力が劣るというのは遺伝的要素というより、社会的要素だというのがこの雑誌に載っている田中冨久子さん横浜市立大学医学部長の話。女性男性で違うのは確かであるが、新ほ乳類脳とも言われる大脳の一部は感覚刺激に応じて作られていきます。この外部の刺激が男女によって違うのでそれを処理する内部も変わってくる。そうすれば出力も違うのは当然。これが脳の性別の差だというのです。今まで女の子は家庭にはいるのだから数学や科学は勉強する必要がないとされ、熱心な教育がなかった為起こり、女性の理数系の学習能力が縮小された結果だと言っています。男性が空間能力に優れているのは、大昔に男は狩りにでたときにその能力を発達させたからと言われてきました。しかし最近の考古学的発見によると、日常生活の中で性別によって大きな役割分担が出てきたのは農耕・牧畜が始まった1万年くらい前からという可能性が高くなってきました。つまり、その性差は「狩り」だと言う仮説は成り立たないのです。

ラットによる空間認知に性別の差があるとした実験でも、きちっとした実験基準がなかった為、信頼できる結果ではないと言っています。実験でラット雄と雌に同じえさを与えていました。それは堅く、大きく、雄よりもあごも筋力も少ない雌にとっては、ストレスとなっていたのです。それが雌の脳の働きを鈍らせたものと考え、雌が食べやすいえさを与えて再度実験を行ったところ、雌と雄の能力の差に大差はでませんでした。これまで女性は男性社会に適応しなければならなく、働く女性にとってストレスだったのです。これからは女性も働きやすい環境作りを進めれば女性の能力が上がることはこの実験を見ると確かなことですし、子供の頃から男も女も同じ経験をさせることによって、性差による能力も少なくなっていくでしょう。



日経ビジネス Associe2005/4/19


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